奈良の欠け佛

 

 


 

興福寺 国宝館

 

国宝の阿修羅像で有名な興福寺 国宝館。

観光名所中の名所であるメジャーなスポットであるこの場所に、実は凄い欠け佛さまたちが・・・!

 

「銀造仏手」

奈良時代の作と伝えられる、貴重な銀造仏さま。

右腕、しかも指も欠損している痛ましいお姿。

しかし、こんな姿になってまで残ってくださった、究極の慈悲と愛に満ち溢れています。

元のお姿はどんなだったのか、想いを馳せてしまします。

 

「五部浄像」

八部衆のなかで、唯一ガラスケースに収められているお方。

下半身、両腕共に欠損。

お顔は阿修羅に並ぶ美少年ぶり、それゆえ痛ましさが強調されて。

後世に補填されたという右腕は、東京国立博物館蔵。

 

その他、一部を破損した仏さまはちらほらおられます。

 

幾多の兵火にあい、廃仏毀釈運動も激しかったという興福寺。

ここにおられる欠け仏さまたちは、その激しい歴史を物語っているのかもしれません。

 

 

住所:奈良市登大路町

アクセス:近鉄奈良駅から徒歩約15分

拝観料:600円

拝観時間:9:00~17:00(入館は16:45まで)
年中無休

 

 

 

 

 

唐招提寺

 

 

鑑真和尚により開かれた、南都六宗のひとつ律宗の総本山。

こちらの収蔵庫である、新宝蔵に、欠け佛さまたちが・・・!

 

「如来形立像」さま

通称、トルソーさん。首から上と、両手、足の先が欠損している痛々しいお姿にも関わらず、

美しいお体の曲線と豊かな造形で、見るものを魅了します。

一体どんなお顔だったのか・・・。

こんな妄想も欠け佛さま故。

 

「仏頭」さま二体。

いずれも、丹下ってる(※欠け佛部用語。丹下作善のように目に垂直に傷が走っていること)仏頭さま。

二体揃ってカッコいいです。

 

唐招提寺は建物が多く、思わずスルーしてしまいそうな新宝蔵ですが、是非是非お立ち寄りになって、欠け佛さまたちに会ってみてください。

 

 

住所:奈良市五条町13-46

アクセス:近鉄西ノ京駅から700m

拝観料:中学生以上100円。小学生50円。

拝観時間:8:30~17:00(受付は16:30まで)

 

かつては春と秋の年二回の公開だったのが、現在では通年公開になっているようです。

 

 

松尾寺

 

大和郡山市の松尾山にある山寺。

駅から遠いし、バスで行っても山道を登らなくてはならないので大変です。

 

こちらは、舎人親王開基の日本最古の厄除け霊場なのですが、

全国的に有名な欠け仏さまがおられます。

 

「焼損仏像残欠」

通称、千手観音トルソーさま。

昭和28年に、本堂の屋根裏から発見されました。

初代の本尊さまだと言われています。

白洲正子「十一面観音巡礼」で取り上げられ、知名度アップ!

 

焼け焦げて、仏様の体をもはや成していないのですが、それでも体中から醸し出される気品と「仏らしさ」に思わず合掌。

 

普段は公開されていないのですが、2011年の白洲正子誕生100年記念で、滋賀や東京で公開されたほか、年末にも松尾寺の宝蔵殿で公開。

 

 

住所:奈良県大和郡山市山田町683 松尾山

アクセス:近鉄「大和郡山駅」、JR「大和小泉駅」よりバスで「松尾口」へ。徒歩30分。

拝観時間:(2011年特別公開~12月25日9:00~16:00)普段は秘仏。